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いすについて 4 2001.12.17記

(A)  
(B)  
   

 ロープ巻きのイスについてもう少し具体的に書いていきます。
ロープにはさまざまな材質、種類が有りますが、強度、耐久性を考えれば
化繊のロープに勝る物は無いと思いますが、化繊は伸縮がわりと大きくて
写真の様なイスでは扱いづらいところが有ります。
このタイプのイスはどうしてもロープが緩んできますので、なるべくメンテナ
ンスを減らすため、出来る限りテンションをかけて巻いておきたいので、座
枠の強度を上げておかなければなりません。座枠がフラットであればかな
りのテンションに耐えられる作りにする事はわりと容易に出来ます。
前項で書きましたようにロープ巻きは、体に合わせてかたどりする様に上
手く密着しますから、座枠がフラットでもそこそこ良い感触ですが、少しRを
付けてみますと、やはりそれなりの効果が有りますので、製作はかなり面
倒になりますが座り心地を優先して、写真の様に背座共にかるくRを付け
て当たりを良くしておいた方が良いでしょう。
写真のイスでは背座ともに1300Rが付けて有ります。
ロープ巻きのイスにチャレンジされる方は、はじめは座枠がフラットのイス
であれば製作も容易でシンプルなイスが出来ますし、ロープ巻きのイスの
特徴が良く分かると思います。

この辺りのホゾに関係する事については、「ホゾについて 1」「ホゾについ
 4」に書いて有りますので参照してください。
写真(A)のイスでは背板(笠木)と前座枠、写真(B)のイスでは背板(笠木)が
三枚の通しホゾにしてかなり強固に組んで有るのですが、これでも強くテンシ
ョンをかけて巻き、ロープが縮んだ場合にはホゾが捻じれ気味になり、かな
り厳しい状態になりますので、なるべく伸縮の少ないロープを優先して選ぶ
のが無難です。
ちなみに写真のイスでは(A)が6ミリの綿ロープ、その(B)が5ミリの綿ロープ
を使っています。綿ロープは化繊のロープよりも伸縮が小さいので、強度、
耐久性は少し劣りますが当たりの柔らかさや、なるべく天然素材を使いたい
事も有り綿ロープを使っています。
ロープの径はもう少し太くても良いような気もしますが、強度としては問題あ
りませんのでフレームを作る事やロープ間の空きスペースをなるべく狭くした
い事などと、全体のバランスから今のところこの太さで作っています。
またロープの編み方は金剛打ちと言われている物を使っています。ロープ屋
さんに聞いたところによりますと、引っ張り強度は普通に良く見かける、撚っ
たロ ープ(名称不明)の方が強いそうですが、表面がゴツゴツとして当たりが
きついので、引っ張り強度は落ちましても、イスの場合は表面のなめらかな
金剛打ちが見た目も合わせて良いと思います。
ロープ自体は金剛打ちの7ミリ、8ミリも入手出来ると思います。

座と背の角度につきましては、基本的に「イスについて 2」の 所で書いたイー
ジーチェアと同じですが、ロープ巻きはたわみが大きいのでシ ートハイが更に
低くなりますのでそれを見越しておく事と、当然背の体感角度も浅く感じますの
で、この感触は背の角度が小さい時には強く感じますが、角度が大きくなると
さほど感じなくなり、なかなか比例的には行きませんが、背の角度は1〜3度程
度は上乗せして倒したほうが良いでしょう。

写真のイス二点の少し詳しい各部の数値を実例としてあげておきますので参
考にして下さい。多少修正したい数値も有るのですが、あえて写真のイスの実
寸にしてあります。

仕   様 (A) 寸 法  (B) 寸 法 
W 645ミリ 620ミリ
H 760ミリ 730ミリ
D 790ミリ 675ミリ
SH(前座枠センター) 330ミリ 360ミリ
座奥行き 440ミリ 440ミリ
座面ロープ巻き幅 500ミリ 490ミリ
座面より背の高さ 620ミリ 485ミリ
アーム高さ 200ミリ(座面に対して水平) 220ミリ(側座枠後部より)
アーム長さ 400ミリ 570ミリ
アーム幅 70ミリ 60ミリ
アーム対地角度 14度 0
座角度 14度 10度
背角度 17.5度 15度
背対地角度 31.5度 25度

「イスについて 5」で続きを書いていきます。


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