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ホゾについて 4 2001.11.2記

 ホゾ穴は昔から言われているように、一枚ホゾの場合、基本的には部材
の1/3程度を目安にして一番近い角ノミの寸法にします。二枚ホゾであれ
ば部材の1/5程度、三枚ホゾであれば部材の1/7程度を目安にして、小さ
い方で一番近い角ノミの寸法にします。ただしホゾの部材の寸法と胴付き
寸法などの関係が有りますから、総合的に考えて決めて行きます。

また二枚ホゾなどの復数枚ホゾの場合には、ホゾの間隔は後の作業を考
えて基本的にホゾの厚さで均等割りして行きます。復数枚ホゾの間を落と
す作業は、今は昇降版やルーターで加工することが多いと思いますが、通
しホゾなどのホゾが長い物になりますと、ルーターなどでは右図の様に点
線部分の長さが足りなくなるくなると思います。この部分の加工は手加工
で縦挽きしノミで落とす、バンドソーで縦挽きしノミで落とす、角ノミで落とす、
などになると思いますが、このなかでは当然角ノミで落とす方法が一番効
率良く作業することが出来ます。
この場合は角ノミの刃を胴付き面に当てた状態で、ホゾ元から順番にホゾ
先に向かって開けて行けばホゾの逃げも防げますし好都合です。後はノミ
で面の狂い、乱れ、ホゾ間の胴付き面の修正をします。
この時ホゾとホゾの間を少し残すことにについては「ホゾについて 1」を参
照してください。

少し色々な場合のホゾについて例をあげて見ます。
ホゾの間隔は基本的にホゾの厚さで均等割りしますが、編座のイスでは捻
りのモーメントがかかりますので、Rの付いた部材は右図の様に可能な限
りホゾ間を広く取り捻じれに対処します。またイージーチェアのロープ巻き
の前座板と背板などはさらに大きなテンションをかけますので右図の様に
三枚ホゾの均等割りにして対処することもあります。
この辺りの事は数をこなせば自然に自分なりのホゾの決め方が出来てき
ますので、まずはチャレンジです。

復数枚ホゾになりますと、ホゾ穴に入りにくくなりますのでホゾとホゾ穴の
関係は通しホゾでは厚さ0.1〜0.3ミリ、巾0〜0.5ミリ程度ホゾを小さく、止め
ホゾでは巾2〜3ミリホゾを大きくします。ただし実際には色々な条件で理屈
どうりには行きませんので、通しホゾでは手で何とか抜き差しできる程度に
仕上げます。この値はあくまでも目安にして実際に差し込んだ感覚が大切
ですから色々試して覚えてください。

ホゾは他にもウインザーチェアなどに使う 丸棒同士の丸ホゾ接合が有ります。
ベニマツでは強度の関係から当然、通しホゾで作る部分が多くなりますが、
更に強度を上げるために右図の様に胴付き面を設けます。このためホゾ穴
は図の様に二段になりますし、イスでは角度が付いてきますので、手加工で
は同心円のホゾ穴を正確に開ける事は非常に難しい作業ですから、胴付き
部は現合合わせで丸めて行きますので、かなり手間はかかりますが寸法精
度や強度は上がります。
またホゾ穴側の部材が角材であれば、胴付きを突き付けにする事も出来ま
すが、イスなどでは色々な力がかかりますし、丸の性質上角度保持力は弱
いので胴付きがすき、強度が落ちる可能性が大きいので、差し込むのが無
難です。
この写真のウインザーチェアの場合、背の中8本は上下とも図(上側を示す)
の様に胴付きの止めホゾ、座板と脚は図の様に胴付きの地獄ホゾで製作し
てあります。この地獄ホゾは昔から良く使われる工法で面白い継ぎ方です。
ホゾ先に切り込みを入れ、そこにクサビを当ててホゾ穴に叩き込んで行く事
でクサビにより中でホゾが広がり固める物です。理屈としてはなかなか面白
い工法ですが、ホゾのはめ合い調整や、切り込みとクサビの寸法など微妙な
ところが有り、組み始めると修正が利きませんのでなかなか難しい工法です
が、イスを作られる方は一度試してみると良い勉強になると思います。ただし
私の経験では、地獄ホゾはベニマツのような軟材では強固にホゾを利かせる
には少し無理が有りますので、堅木などでろくろを使われる方は向いていると
思いますし、その時には胴付きは不要だと思います。

また丸ホゾで貫に貫が入る場合、ウインザーチェアなどでは一度に部材をは
めて組み立てて行きますので問題ないのですが、丸ホゾに他の部材の丸ホゾ
が有る時に、イスのデザインや構造上などにより、一度で組み立てが出来な
い場合には、ホゾの位置が決まりませんのでホゾだけ図の様に角ホゾにして
やる事で、ホゾの位置が決まります。写真はそんなイスの脚 部の例ですが、少
し 見にくいですが、丸棒の貫に角ホゾ加工して有ります。部材はわりと細いです
が、かなりがんじょうです。更に接合強度を上げるために図の様にホゾを二枚
ホゾにすることも出来ます。

もう少し「ホゾについて 5」で書いて行きます。

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