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イスについて 5 2001.12.19記

(A) (B) (C)



 

 

 

 ロープの巻き方等にについて書いていきます。
ロープの巻き方は、私の知っている昔の北欧のイージーチェアは一本のロ
ープで背座共に巻いてあり、巻き方も写真のイスとは違います。これは座の
前枠と背板(笠木)の薄い物には有効ですが、ベ ニマツではRを付けたこと
から強度の関係で三枚の通しホゾにしましたので、図矢印部分の座の前
枠と背板(笠木)が厚くなり、写真から分かると思いますが、座背別々のロー
プを単純にぐるぐる巻くだけです。
このロープは途中で繋ぐのは見栄え的にも良くないので、初めて作る時には
座背一本のロープで巻く事が出来る様によく計算して長さを決めてください。
少し無駄が出ますが、計算値より一割強程度は長めにしておくのが無難だ
と思います。後は実際に使用した長さをメモして計算値との誤差をチェックし
ていけば、次第に計算精度が上がり後々便利です。
ちなみに写真(A)では6ミリ綿ロープで約110m、写真(B)では5ミリ綿ロープ約
150m程になります。写真(B)が多いのはロープが細い事と、座面に横巻きし
ているためです。
まず計算で出した背座それぞれの長さのロープを、自分の使いやすい大き
さの、けさにして巻き取り準備しておきます。
巻き初めと終わりは写真(A)(B)から分かると思いますが、側面に穴を開けて
結んで留めます。これは緩んで来た時に締め直すためです。
ロープの巻き方を図で説明しますと、の座の前枠に点線の様に一回巻
き付け、次にの座背共有枠にここでは巻かずに掛けて折り返し、また
の座の前枠に点線の様に一回巻き、ここで一度クリップクランプで止めて
おきます。
次に作業はまったく同じですが、の背板(笠木)に点線の様に一回巻き
付け、次に次にの座背共有枠にここでも巻かずに掛けて折り返し、また
の背板(笠木)に点線の様に一回巻き、ここでも一度クリップクランプで
止めます。
後はこの作業の繰り返しです。この時ロープは出来る限り詰めて巻いておき
ませんと、見栄えも良くありませんし、ロープが伸びてすいてくる可能性が有
りますので、2、3回巻きごとにマイナスドライバーか木のヘラなどを使い金鎚
でたたいて良く詰めて巻いてください。またテンションも可能な限り強く巻きた
いところですが、座り心地優先でRを付けていますから、ホゾ部分にかなりの
捻りの負荷がかかり破損する可能性が有りますので、色々試して上手く折り
合いのつくテンションを覚えてください。

話が後先になりましたが、イスのフレームの設計においては、 ロープがフレ
ームから浮かないように各部材の位置関係と部材の寸法、角度を注意して
設計してください。何度も書きますが、イスは角度とRが付きますので原寸図
を描いて、慎重に確認しながら設計を進めてください。特に点線の様に体
に当たる側に巻くロープは、フレームからロ ープが浮かない様に細心の注意
を払います。 黒矢印部分が浮きにくい様に角度を付ける事も出来ますが、角
が立ち当たりがきつくなる可能性が有りますので、の部材はロープと平
行が良いでしょう。
の部材は矢印部分が決まっていれば直接座り心地に関係有りませんの
で、角度を付けても良いですし、後は作りやすさや見た目優先で考えて行き
ます。

「イスについて 6」で続きを書いていきます。


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