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椅子について 19 2006.7.27追記

 
 
   

また極一般的にはYチェアのような編み方では、前後の座枠と左右の座枠
に段差を付けますし、座枠自体の厚み(上下方向)をなるべく小さくしてや
らなくてはなりませんが、カナコ編みでは前後左右の座枠は同一位置に配
し、厚み(上下方向)は自由に変えられます。
こうしたことからカナコ編みでは色々な面で案外と融通が利き、椅子自体
としてもバリエーションを付けやすく、特にシンプルな雰囲気に仕上げやす
くなります。
一方Yチェアのような編み方では座枠に段差を付ける(段差を付けないこと
もあります)ことや、厚みを薄くしますので貫きを省けないなどのことから部
材数が多くなる傾向にあり、シンプルな雰囲気にまとめにくくなります。

こう書いてきますとカナコア編みに部がありそうに感じるかもしれませんが
先に書いたことはあくまで座面のみで見た場合ですから、他との絡みでま
た様子が変わってきます。例えば写真のようなラウンドバックの笠木では
円と四角の整合性を考えれば、座面形状をなるべく差寸の大きい台形に
しておきたくなりますから、詳しく見れば他の理由もありますが、Yチェアの
ような編み方の方がまとめやすくなります。
当然ですがこれも背側の仕様が変われば、また向き不向きがが変わって
くる ことになります。

話がどんどん横道にそれていってしまいそうなので、編むことに話を戻しま
すが、カナコ編みは縦横の簡単な布編みですから、誰が編んでも直ぐにそ
こそこの見栄えに仕上がるようになります(どっこい、これがなかなか奥が
深くて曲者なのです)が、編み上がった面強度自体は Yチェアのような編み
方に比べて少し劣るように感じますので、そうしたこと を意識しながら編ん
でいく必要があるでしょう。単純に考えればめいっぱい テンションをかけて
編めば良いように思われるかもしれませんが、それだけ では不十分で、
ペーパーコードの太さや基本的なフレーム寸法(面の大きさ) や形状など
その他の関連複合要素 もよく考え合わせて工夫していく必要があるように
感じます。

またカナコ編み自体はその編み方の性質上、少しスプリング感のある座り
心地になります。座ることにより段々面が緩くなって当たり自体はソフトに
成ってきますが、スプリング感が完全になくなってしまいますと好みはある
かもしれませんが、私としてはあまり快適とはいえなくなってきてしまうよう
に感じますから、編み上がりの状態(椅子の使い始め)をいかに長持ちさ
せるかが非常に大切に成ってくるのではないかと思います。見た目だけで
はなく、実用上快適で息の長い座面を作り上げることはなかなか難しいこ
 とで、実に奥の深いものです。


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