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ホゾについて 21 2003.3.24記

通しホゾはホゾが長くなりホゾ加工が少し大変になりますし、ホゾ 穴も通
しになりますので、両面からの角ノミ加工で一手間かかります。また組み
立てにおいても楔打ちのホゾ処理が有りますので、なかなかせわしい作
業になります。ホゾは切り捨て部分も有り長くなりますので、材料の歩留
まりは悪くなります。
通しホゾはホゾとホゾ穴の嵌め合いを手で抜き差し出来る程度に仕上げ
ますし、両面から貫通穴を空けますからホゾ穴が長いですし、ホゾ穴がず
れていた場合には、ホゾが傾いて胴付が密着しにくくなることも出て来ま
すので、確認の仮組みなどが必要な時には助かりますが、止めホゾでは
ホゾを利かせて作りますので、仮組みをすることでホゾの利きが弱くなっ
てしまいますので、ホゾの嵌め合い確認のみにして、基本的には仮組み
をしないで進めます。
またその他の嵌め合いでもホゾを利かせるような状態のものは、仮組み
は出来ませんので嵌め合い確認のみになりますから、やはり慎重、正確
な作業です。

通しホゾはホゾが長く外から楔を打ってホゾを利かせますので、ホゾ穴部
材の矢印寸法についても考える必要があります。ホゾ先は通常面一に
仕上げますが、それ以後ホゾ穴の部材に木の伸縮が出たときには、
円部分のホゾ先が木の伸縮に合わせて出たり入ったりの状態になります
ので、ホゾの部材寸法が大きくなればなるほど木の伸縮を考慮して、なる
べくこのホゾの出入りが少なくなるように、他の仕様に支障が出ない範囲
で柾目板目の木目を見て木取りを決める必要が出てきます。

話が少し戻る内容になりますが、後一つ別の観点からホゾ自体の利きに
ついて見ていきますと、二段目の左図は板目、右図は柾目を表しています
が、各面に四角のようなホゾ穴を空けてホゾ組みすることを考えますと、
これは木ネジの利きと同じことですが、木はバームクーヘンを立てたような
物ですから、その性質上左図の板目はしっかりした一枚の繊維面の積層
に対して垂直に挿します。もう一つ別の表現をすれば、電話帳の表紙に垂
直に穴を空けるような状態になりますので、ホゾ が良く利きますし、 機械的
強度の高い接合が得られますが、右図の柾目では繊維面の積層に対して
横から挿すことになりますので、電話帳の一枚々はバラバラなように年輪
間は弱いですからホゾの利きも悪く、 接合後の機械的強度も劣ります。
 


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