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構造について 74 2004.12.21記

背面より

上図のような二枚ホゾにした場合の矢印のホゾ間についてですが、これ
についても色々なところで何度も書いていますが、写真のような編み座の
座枠ではベニマツはとにかく強度がありませんので、なるべく大入れ的に
ホゾを差し込んで機械的強度を稼ぎたいところですから、小根的発想で少
し残すようにしてしまいます。

二段目の図は上図のホゾ部分を上から見たところを表していますが、
線のように小根として残せば、ホゾ元部分は点線のように太いホゾを差
し込んでいることになりますので機械的強度を稼ぐことができ、ホゾ先は二
枚なり場合によっては三枚に分割することにより、ホゾ穴部材の繊維を断
ち切る部分を減らすと共に、接合強度とホゾ部分の捩れに対しても強度UP
を狙います。
勿論他のところで書いていますように、こうした複数枚ホゾ間はホゾ加工の
都合上、ある程度の残して加工することになると思いますので、ノミなどで
胴付き面に合わせてこの残った小根部分を落とすことを考えますと、この
ホゾ間はホゾ加工で残ったままにしておき、ホゾ穴側の胴付き部分(ホゾ間)
をノミでさらってしまう方が、作業的な面からだけ見ても楽ではないかと思い
ます。

補足的に一つ書いておきますが、基本的には接合強度を上げようとすれば
ホゾは一枚ホゾを二枚に、二枚ホゾを三枚にと増やしていけば良い訳です
が、当然寸法的な制約がありますのでホゾ枚数が増えれば当然一枚のホ
ゾは薄くなってくることになります。
例えば下の図でホゾの矢印間を30ミリで収めようとした場合に、普通で
行けば左図の二枚ホゾでは9.5ミリ、右図の三枚ホゾでは6ミリのホゾ幅に
するとしますと、ホゾの挿し込み体積自体は左図の二枚ホゾの方が少し大
きくなりますし、通しホゾで楔を打つ場合には経験上楔自体はある程度寸法
が大きいほうが楔が良く効く傾向にあるようですから、ホゾ枚数を増やすこと
で確かに接合部分の接触面積は増えてホゾ自体の接合強度自体は上がる
傾向にあるとは思いますが、接合強度と接合部分の機械的な強度を総合的
に考えた場合に、一概にはホゾ枚数を単純に増やすだけでは思ったよりそ
の効果が得られない場合も出てきますし、場合によっては強度が落ちてしま
うことも考えられます。当然ホゾ枚数が増えれば加工の手間も増えますので
ケースバイケースで色々な要素や条件を総合的によく考えてみてください。

とにかく写真の編み方による座枠は、矢印寸法を大きくすることが出来ま
せんので、ベニマツのような軟材では頭を悩ませる部分です。書くまでもな
い事かもしれませんが、前後の座枠をストレートで作る場合は下左図のよう
に板目で木取りますが、写真のイスのように少し湾曲を付ける場合は板目
では目切れが起きてしまいますので、必ずその右図のように柾目で木取る
ことになります。
勿論ストレートの場合は右図のように柾目でとっても構いませんが、材料の
入手や有効利用などその他色々なことから、どんな場合においても不都合
が出ないのであれば、板目で木取りしておくのが自然でしょう。
また座枠のみ堅木にしてしまうのも一方です。

カナコ編みでは前に書いていますように矢印寸法については編み込みに
よる制約がありませんので、有る程度自由に変えることが出来ますから、
矢印寸法を大きく伸ばして矢印寸法を小さくし、部材強度や捩れに対して
対処できますので、わりとセンター振り分けにし易いですし脚を細くする事も
容易になります。ただペーパーコードのカナコ編みでは写真の編み方と同様
に座脇外側には必ず R 面を取らなければなりませんので、対処しにくいとこ
ろはあります。


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