Welcome to   Wood worker kei   home page

    
 

Top
Information
Exhibition
Challenge
Challenge2
Challenge3
Link

 

 Challenge 2                               << 前へ 次へ >>

構造について 73 2004.12.19記

背面より

前項の続きになりますが、 二枚ホゾにした場合を図で表わせば上図のよ
うになりますが、こうした発想過程で座枠のホゾを考えて作ったものが写
真のイスになります。サムネイルをクリックして見ていただければ、前後左
右のホゾに段差を付けた二枚ホゾの様子が確認できると思います。
また脚に対するホゾ位置を良く見ていただくと分かると思いますが、二枚
ホゾの位置は脚に対して、前後左右の座枠共に変心している事が分かる
思います。これは図でも一目瞭然ですが、これも何度も書いていますよう
に、ペーパーコードでの編み込みでは、編み枠外側のペーパーコードをか
ける部分は必ず R 面を取らなければいけませんので、必然的にホゾ穴は
変心してしまいます。
二枚ホゾをセンター振り分け(左右対称)にしてしまいますと、ホゾを幅狭に
したり矢印のホゾ両外間寸法が小さくなってしまいますので、捩れに対し
て弱くなりますし、ホゾ部分の機械的強度も落ちてしまいます。
加工だけを考えますと、ホゾにおいてもホゾ穴においてもセンター振り分け
が一番加工しやすいですから、どんな場合でも可能な限りそうしておきたい
ところですが、 この場合は今まで書いてきたようなことから、機械的強度や
捩れに対して 優先して考えてことから、変身させることになってしまい ます。
通常複数枚ホゾにする場合、基本的にはホゾ寸法とホゾ間は同寸法にし
て均等割り状態にしますが、こうした捩れに対してたとえ僅かでも強度を上
げておきたい場合にはホゾ両外寸法、即ち矢印寸法は可能な限り広くし
ますからホゾ間は広くなっても構いませんので、最大取れる矢印寸法の
両外からホゾを取って残った分がホゾ間になります。あまりホゾ間が広くな
るようでしたらホゾ幅をワンランク狭くして、三枚ホゾにするなど適宜対処し
ていきます。

ただこれはベニマツを使うことからこうした発想になりましたが、前に書いて
いますように扱う素材が変われば当然その素材に適した仕様に変わってく
るはずですから、ここではベニマツという限られた素材に対する具体的な形
は適当に読み流していただいて、 あくまでホゾを考えていくその発想過程を
参考にしていただければと思い、ある程度細かいことまで書きましたが、素
材が変われば設計した構造、ホゾも随分変わって来てしまうことが想像で
きるのではないかと思います。

こうした部分などでは堅木では通しホゾにしなくても十分持つと思いますの
で、止めホゾにして繊維を断ち切る部分を少なくし、大入れでしっかりホゾを
利かして接合してやれば、写真のような編み座の椅子では機械的強度にお
いても捩れに対しても、最適な状態になるのではないかと思いますが、軟材
ではイスにおいてはなかなかつらい部分も出てくることになります。勿論これ
は良い悪いではなく、色々な素材の特徴、持ち味を生かすということで捉え
ていきたいですね!


                                        << 前へ Page top 次へ >>