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ホゾについて 10 2003.3.13記

胴付き面を設けることで、ホゾ穴深さに対しては丸部分の必要スペース
さえ確保できれば、加工精度はある程度ラフに対処できることになりますし、
ホゾ穴深さに影響されずに胴付で位置が決まることに成ります。
また矢印の胴付き部分はホゾ穴口が隠れますので、ホゾ穴口の仕上が
りにそれ程神経を使う必要がなくなります。
胴付き面がピッタリ密着した組み上がりは、なかなか見栄えの良いもので
すが、逆にここが密着していませんと、非常に目立ちますし見栄えが悪くな
り寸法精度にも影響してきますので、ピッタリ密着させて組むことは当然で
すが、家具として使っている間にホゾが抜けてこないように、全体の構造も
含めてしっかり組み上げておく必要が有ります。
このことを少し理屈っぽく見ていきますと、胴付を設けることで当然胴付き
の寸法分ホゾが細くなりますので、ホゾ自体の物理的強度は落ちることに
成りますが、矢印部分の胴付き面が密着することで胴付き面の有る方向、
即ち矢印方向の力に対して支えてくれることになります。また矢印方向
に力を加えた時には、矢印部分が支点となってホゾを抜く方向に力が働
きます。
その下の図のように胴付き面が密着していない場合には、矢印方向の力
に対して当然ホゾの部材が動きやすくなってしまいますし、丸のホゾ元部
分が弱くなってしまいます。即ちこれは上の図の胴付きの無い状態に当た
矢印部分で言えば、矢印方向への力に対してはここを支点としてホゾ
を折ることになりますが、胴付があればそれが支えになりホゾには抜く方向
への力に変わってきます。当然胴付き面が大きければ大きいほど抜く力の
割合が増えてくることになります。
ただ胴付が大きくなればホゾは細くなりますので、矢印方向の加重に対
するホゾの機械的強度は落ちますので、適度なバランスがあるはずですが、
ホゾ接合の何を重視するかの求める仕様により、その辺りは自分なりに考
えます。
これは少し誇張して見ていますし、実際にはこのように一つのホゾだけで使
われることはまずありませんが、とにかく胴付きホゾは胴付き面をしっかり
密着させて強固にホゾを組む必要があることが分かると思います。

その点、図で行けば矢印の部分は先の追入れ(大入れ)と同じ状態にな
ります。話が少し戻りますがこうした胴月の無い挿し込みの状態では、有る
程度ホゾが抜けてきても外観上目立ちにくいですから、前項でも書きました
ように丸ホゾの差込などはイスなどには向いたホゾです。

一つ例えを書きますと、下の図はアームチェアを横から見たところとします。
横の部材はアームと座と貫になりますが、例えばアームと座は前後の脚に
対して平行で、図のように貫部分にだけ後脚に角度がある場合などは、
丸部分のホゾは胴付きが有りますと、三本の横の部材をピッタリ密着させ
るには設計、加工共に非常に寸法精度が要求されますが、追入れ(大入れ)
仕様にして丸部分のようなスペースを見ておけば、ある程度の逃げを作
ることが出来ますので重宝します。
 


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