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その他のホゾ、構造について 27 2002.8.19記

 図の様な仕上がりの場合には丸部分は「その他のホゾ、構造につい
て 22」で書きました 様に肩付き追い入れ継ぎで組みますが、この部分
についてもその下の図の様に小ホゾにして組んでも良いでしょう。これは
小ホゾを配して適当な間隔で並べたもので、矢印寸法は天板の半分ほ
ど見て小ホゾの寸法を決めていきますが、普通の仕様であれば角ノミの
寸法を考えて8、9.5ミリ角になるでしょう。散り小ホゾ組み接ぎ等と呼ばれ
ています。この組み接ぎは後で書きますが、引き出しの前板と側板の接
合にも活用できます。
また、ベニマツは弱いのでこの散り小ホゾ組み接ぎに点線の様に、高
さを5ミリ程度にして小根(尾根)を付けておけばかなり強固な組み接ぎに
なります。これは通し小根小ホゾ組み接ぎ等と呼ばれています。

板組みの場合でも図の様に框組と同様に天板を延ばしても良いでしょう。
当然、天板前木端は前に伸ばします。この場合には天板のひさしを出し
ますので、一番上の引き出しの使い勝手を考えるとデッドスペースになり
ますが、矢印の棚口桟に当たる横貫を入れておいた方が良いでしょう。
天板と側板の組み方は、この場合も色々ありますので少し例を挙げてお
きます。
側板の両木端を丸の様に欠き取り肩を付けて、天板には溝を掘りはめ
込みます。これは肩付き追い入れ接ぎの一種になると思いますが、天板
の溝はトリマなどで簡単に掘る事が出来ますので、割と楽に出来る組み方
です。追い入れは0.5ミリ程度板厚を効かせる様にすれば良いでしょう。
また、矢印の追い入れ深さは天板厚の1/3弱を目安にします。当然、溝
の深さは矢印寸法より0.5〜1ミリ程度深くして接着剤溜まりとし、丸の
肩部分が綺麗に組み上がる様にします。
ただし、この矢印寸法より溝を少し深く掘る事で、側板の肩部分以外は
天板の位置が決まりませんから、組んだ時に天板がたわむ可能性が有り
ますので、図の一点差線の様に胴付としておけば、一手間かかり ますが
位置も決まりますし綺麗に組み上がります。他だこの時の裏面丸部分は
欠き取りが不要になります。
この時矢印の棚口桟と天板は、接着剤を付けビス止めしておきます。

次に側板と天板を点線のように蟻で組んでしまいます。これは天板の反
り止め加工と同じになりますが、反り止めが側板になります。写真のシュー
ズボックスはこの方法で組んであります。ただし、この場合の側板は框でル
ーバーに組んでありますので、接着剤を付けずに差し込んでありますが、
板の場合は接着剤を付けておいた方が良いでしょう。そのために、この蟻
のはめ合いは少し緩く仕上げます。また、接着剤があまり濃い場合は、途
中までしか入らなくなる可能性が有りますので少し薄めの方が良いでしょう。
この辺りの蟻溝のはめ合いと接着剤の濃さの関係は色々試して覚えてくだ
さ い。接着剤を塗布する場合には思ったより緩めに加工する事になると思い
ます。
また、接着剤を塗布する場合には天板側は蟻溝の前半分に塗布しておき、
側板の蟻ホゾは後ろ半分に塗布します。こうして差し込んで組めば、溝半分
までは接着剤の影響を受けずに差し込む事が出来ますので組みやすくなり
ます。差込で接着剤を塗布する場合のこの発想は、色々な所で役に立ちま
すので覚えておくと良いでしょう。
蟻溝の加工において、矢印の棚口桟を入れてある場合には、左右の蟻
溝の間隔を精度よく仕上げておきませんと、差し込めなくなったり丸部分
がすいてきたりする可能性がありますので、特に慎重に加工してください。
この組み立てでは、矢印の棚口桟は接着剤を塗布する事が出来ません
ので、ビス止めだけにします。
また蟻は吸い付きですが、接着剤を塗布した場合は念のために、板を渡し
てクランプで締めるか、天板の上に漬物石の様ななるべく重い物を物を乗せ
ておいた方が良いでしょう。

「その他のホゾ、構造について 28」で続きを書いていきます。


                               
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