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ホゾについて 35 2003.4.7記

丸ホゾは形から分かると思いますが、例えの楔のように角ホゾと同じ向
きに打ち込んでも、矢印方向に押し広げる力が働きますので、意識して
おく必要があります。
これは少し話が変わりますが、皿ビスを使う場合に木口近くで締めすぎて、
木口割れを経験した方もあると思います。丁番などの取り付けにおいて皿
ビスで締め付けることを見ていきますと、皿ビスは形状の性質上位置が決
まれば動きにくいですし、木ネジ(皿ビス)などでは面一に締め付けることで
収まりよく仕上がりますが、首下がテーパーですから絶えず全方向に、木を
押し広げる力がかかり続けることになりますので、皿ビスは基本的に木に
不向きな要素を持っていることを見ておく必要があります。

上右図はウインザーチェアのような、木の座板に丸棒の脚を通しホゾで差
し込む場合としますと、木口、木端に近くなる場合は楔の打ち込みによる、
座板の割れに注意しなければいけませんが、ウインザーチェアなどでは脚
矢印のように傾けて差し込むことが殆どになりますので、当然楔もその
下の図のように脚に対して垂直に打ち込むことになります。
基本的な楔自体の向きは木目に対して上左図のようになりますが、こうした
イスの場合には楔の見栄え的なことをある程度優先してしまい、脚を傾ける
矢印の垂線に対して線のように直角に打ち込むことも結構あります。
ウインザーチェアに関することについては Challenge の「イス雑感 5」から少
し書いて有りますので参照してください。

楔は薄い小片ですから、一般的に少し強度のある木で作ったりするように言
われることもあるようですが、私の場合はベニマツの共木で作って使ってい
ますが支障はありません。また楔を意匠的にワンポイントで異色の木を使う
こともありますが、この辺りは各自の好みの問題になります。

先に地獄蟻ホゾ接ぎについて書きましたが、これと同じ発想の通しホゾに つ
いて見ていきます。下図は一般的な通しホゾですが、ホゾ穴を通常のように
角ノミで加工しますが、次ぎにノミでホゾ穴のホゾを利かせる側のホゾ出口両
側を、点線のようにテーパーに掘り広げます。当然この場合はホゾ寸法に
関係なく楔は二本打ち込みますが、ホゾ先に切込みを入れる場合は点線
のように、テーパーに掘り広げたラインに合わせて少しテーパーにします。
後は楔を打ち込んでホゾ先を広げてホゾを利かせることで、一般的な通しホ
ゾに比べてさらに抜けにくくなります。ただ実際にはテーパーを大きくすればす
るほど良いわけではありませんので注意が必要です。テーパーを大きくしすぎ
ますと、楔をたくさん打ち込んでホゾを広げることになりますから、ホゾが折れ
てしまい逆にホゾが弱くなってしまいますので、欲張らずに僅かなテーパーでも
十分効果があります。
普通の通しホゾでもかなり強固な組み方ですから、一般的には十分だと思い
ますが、こうした一手間かけることでさらに強固な接合が可能になります。
 

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