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構造について 187 2005.12.18追記

 
背面より  

こうした笠木の仕様においても湾曲の大きさやアーム機能の持たせ方に
おいて色々考えられますから、ほんの少し肘を置くだけの機能を持たせた
程度までであれば一枚板からの削りだしでも十分対処できると思いますが、
腕を置く仕様まで考えた場合には一枚板では無理が有りますので、一番
単純には寄木を取り入れて削り出しで作ることになります。
ただほんの少し肘を置くだけの機能を持たせた場合でも、こうした笠木の
仕様では非常に大きなブロックになる傾向が有りますので、一枚板では材
料の入手やそうした意味での歩留まりを考えた時には、板厚を稼ぐ寄木
(積層)は必要になってくることも多いでしょう。

一般的に家具作りにおいては木の木口同士を接ぐことは、額縁の留めな
どのような場合などあまり多くないものですし、使われ方としてもどちらかと
いえば見てくれ重視的な部分に使われることが多いのではないかと思いま
す。一方ここで書いていくイスの笠木では、一枚板からの削り出しでは当然
木の性質上とても機械的強度が持ちませんので、木口を接いで擬似的に
曲げ木状態を作り出し、笠木としての機械的強度の向上を目指すことにな
りますので、額縁などの場合とは少し目的の意味合いが違ってきます。

こうしたアームと背もたれの機能を併せ持たせた笠木仕様のイスでは、ア
ームの使い勝手により、アームの高さが有る程度始めに限定されてしまい
ますので、どっちもどっちものところはありますが、背もたれの位置がある
程度限定されてしまうことになり、背もたれとアームの快適なバランスと外
観的なバランスを構造も含めてうまく纏め上げることはなかなか難しいこと
になります。
また背もたれの位置はアームとの関係から、自然にランバーサポート当た
りを保持する仕様になってしまいますが、前にイスに関するところで書いて
いますように、この部分は上半身では一番細い ところになりますので、ます
ます湾曲が大きく(小さいR)なる傾向にあります。

そこで背もたれの湾曲が大きくなってきますと、この笠木自体の本体との
接合、保持方法が結構悩む部分になってきますし、その位置関係におい
ても座面仕様がペーパーコード、綿ロープやテープ類を編むものでは結構
厄介になります。


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