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構造について 186 2005.12.16追記

 
背面より  

またイスの話に戻りまして、上の写真のようなイスで笠木を非常に大きく湾
曲(小さいR)させてアームの機能まで持たせた、いわゆるラウンドバック仕
様においては、削り出し で作る場合は木の性質上一枚板での削り出しでは、
歩留まりは当然として も強度がとても持ちませんので、何らかの工夫が必
要になってきます。
そうした歩留まりや強度を考えたときにはラミネート構造(積層)や曲げ木
構造にすればよい訳ですが、これはこれでなかなか難しいことでおいそれ
とは手が出せませんので、ここでは触れずに削り出しで作る場合のことと、
それに付随した座面との関係について少し見ていきます。
またラミネート構造や曲げ木構造が無理だから仕方なくやると言う訳では
なく、削り出しで作り上げた笠木には削り出しならではの雰囲気、良さが有
りますので、削り出しの良さを生かすような方向で考えていくことになります。

こうした笠木の削り出しでは三次元曲面で構成する部分が多くなりますか
ら基準を作りにくく、一般的な木工作業における基準を基にした加工、基準
を基にした加工の進め方が難しい部分が多くなりますから、頭でイメージし
たものを手加減で削り出していくような作業が多くなりますので、なかなか
厄介な作業になります。縦軸面取り盤などがあれば早く正確に加工できま
すが、 これもおいそれとは手の出ない機械ですから、ルーター、バンドソー
やベル トサンダーの機械類や南京鉋、反り台鉋、切り出しナイフ、ノミや木
工ヤス リなどの手工具を自分の扱える範囲で作業方法も含めて工夫駆使
して加 工していくことになります。

言わずと知れたハンスウェグナー氏のザ・チェアなど、少し昔の北欧のイス
などではこうした作りの椅子が非常に多く有ります。彫刻家が作る芸術作品
のような素晴ら しいプロポーションの仕上がりで、見ているだけでうっとりし
てしまいますが、 こうした色々なイスも参考にして自分なりのものを作り出
してくだ さい。
ただこうした作りはどうしても手間が非常に掛かる傾向に有りますので、イ
スの価格としてはかなり高いものになってしまいますが、アマチュアの方が
作るのであればそんなことは無関係ですから、腰を据えてじっくり時間をか
け心いくまで手間をかけることができますし、通常のホゾ加工などとは異な
る感覚の作業になり、また違った難しさ面白さが有りますので是非挑戦して
みてく ださい。


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