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構造について 164 2005.7.11記

使い勝手の面から引き出しは、出し入れのスムーズさが非常に大切にな
りますが、前項で書きましたように家具として出来上がり、使い始めてから
でも木は動き続けますので、よく梅雨時に引き出しが動かなくなってしまっ
たりする話を聞きますように、そうしたことが起きても不都合なく使い続け
ることが出来るようにように配慮しておく必要があります。
また出来上がった時点では不都合がなくても木は動き続けますので、
丸部分などは接合していますから両部材は抑え合いますので、接合が緩
む以外の出し入れのスムーズさなどにおいては、案外不都合は出ないも
のですが、丸部分などは自由に動きますので、湿度だけでなく木自体の
反り捩じれなどが出てくる可能性が有りますので、そうしたことも考慮して
おく必要がありますが、基本的には前に書いていますように、側板などは
特に目のよく通った素直な木を選んで使う事が一番の対処法でしょう。
勿論これは本体側の吊り桟や受け桟の部材についても同様ですから、木
の選別では特に慎重に選んでください。

上に書いたようなことから、極一般的には引き出しの向こう板(奥)側はほ
んの僅 か小さく(絞って)して、引き出し自体を台形にしておくことになります。
上の図でいけば矢印寸法になります。当然引き出しの仕様(幅、奥行き)
や本体との関係により適度な寸法があるはずですが、極大雑把には1〜2
ミリ絞ることで引き出しの出し入れに不都合が出にくくなるでしょう。
絞る角度は1度以下の非常に小さい数値になりますが、厳密には丸部
分の接合においては角度が付いてくることになりますので、絞る寸法によ
ってはある程度加工、組み立てに対して配慮しておく必要も出てきます。
ただ実際には相手は木ですから、無視してしまってもまず不都合が出るこ
とはないでしょう。

実際に私の場合で、例えば前板と側板を包み打ち付け接ぎで組む場合は
前板の切り欠き加工は横切り盤で行いますので、数値で表わせない程度
ほんの気持ち向こう板側が絞られるように設定して加工しますが、側板と
向こう板は基本的に突き付けのビス締めで組みますから無視しています。
これなどは引き出し自体は長方形に組み上げてしまう事として、引き出し
の削り調整の時点で向こう板(後)側を多めに削って台形にしてしまっても、
僅かな寸法ですから十分でしょう。要は向こう板側を絞ることができれば良
い訳ですから、この辺りも自分なりにやりやすい作業方法を見つけてくださ
い。


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