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構造について 162 2005.7.7記

前項の続きになりますが、OUTSET で密に仕込みを考えるのであれば引
き出しの構造自体を考えていく必要があります。一つ例を挙げますと、極
普通には INSET の引き出しの前板と側板は上の図のように接合すること
になりますが、二段目の図のように前板を OUTSET とINSET 分に分けて
しまい、引き出しを先の INSET の方法で削り調整してから OUTSET の分
の前板を組み付けます。
この二分した前板の接合はいも付けで矢印方向からビスで締め付けてお
けば十分な接合強度が得られます。またこのビスは引き出し内部で一番
目立ちにくいところですから、あえてダボなどで埋める必要もないでしょう。

引き出し作りで一番面倒で難しく要となる部分は、丸部分の前板と側板
の接合部分になると思いますが、接合においては見てくれを考えれば、側
板の木口を出さないように包みにしての接合が一般的ですから、どんな接
合(組み接ぎ)方法にするにせよ、前板は必ずL字の欠き取り加工になり
手間が掛かります。勿論あえて意匠的にと言いますか、側板の木口を前面
に出してしまうこともありますが、この辺りは作るもにもよりますし、考え方
は人それぞれです。
どちらにせよ前板を INSET と OUTSET に分けることで、部品点数や手数
工程は増えますが、技術的な難しさは減りますので、製作的な容易さは随
分上がることが分かると思います。

引き出しの前板は家具の顔になりますので、見た目を考えれば木表を前面
に出したいところですが、木の動きを考えれば極一般的にはテーブルトップ
と同じことですが、木裏を前面に出すことになると思います。同じ発想でいけ
ば当然側板、向板(奥)も引き出し外面に木裏を出すことになりますので、結
果として引き出し内面は全て木表が出ることになります。これは引き出しは
中に物を入れることが目的ですから、その内面にささくれが起き難く綺麗な
面が出ることになりますので、使う面からは好都合と見ることができます。

そこで二段目の図の前板を INSET と OUTSET に分ける場合を考えて見ま
すと、これも木の動きを考えれば板同士の接合では極一般的には木表同士
を接合することが多いと思いますので、この場合は前板内側(引き出し内面)
に木裏が出ることになります。


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