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構造について 89 2005.2.11記

背面より イージーロッカー 座背 4o綿ロープ編包み

左の写真のイスの編み方では、カナコ編みのように縦横の布編みではな
く、各巻き枠から対角の稜線までペーパーコードが平行に走るだけでペー
パーコード同士は独立していますので、長年の使用でペーパーコードが緩
んで座面が他垂れてきた時には、当然平行に走っているペーパコード同士
に隙間が出来てきますので、カナコ編みに比べて見栄えが悪くなります。
特に見栄えに関しては、ペーパーコードを使ってこの編み方をする限りは
致し方のないことですから、なるべく編み始めの状態が長持ちするようなフ
レーム仕様(寸法、寸法比、位置関係など)や編み方を工夫するしかないで
しょう。
この編み方においても初めに相当テンションをかけて固めに編んでおいて
も、最終的にはかなり垂れてきてしまいます。椅子の大きさなどの仕様やど
んな仕様のペーパーコードを編むかでこれも一概には言えませんが、最大
部分で何センチも垂れてくることになります。

こうしたことからカナコ編みでも同じですが、ある程度イスを使っている間に
点線のようにお椀状に座面が垂れてきて、SH (シートハイ)が段々低くなっ
てくることになります。勿論垂れてきても座ることに特別差し障りが出ること
はないと思いますが、一番気になるところは矢印部分の前座枠上部内側
の角がくっきりと立ってきて、太腿裏に当たりやすくなります。勿論左右の座
枠と後座枠も上部内側が 同じように角が立ってくることになりますが、ある
程度こうしたことを考えて予 め座面スペースさえ確保している仕様では、さ
ほど問題にはなることはない と思いますが、視覚的には座枠がはっきり見
えてくる のはあまり良いものではないでしょう。

上下方向に湾曲(R)を付けるためのテーパー削りです  

こうしたことを予め見越した対処方法を考えて行きますと、この編み方では
カナコ編みと違い、矢印部分は編み初めにおいて浮いていても構いませ
んので、点線のように今までの話とは全く逆の発想になってきてしまいま
すが、座面がへたって来た時の形になるべく近づけるように逆の傾斜を付
けて、矢印部分の座枠とペーパーコードになるべく隙間が開くようにしてし
まいます。
ここで座枠の矢印部分の具体的な対処方法の形状として一つ例を挙げ
ますと、下の写真はイスの背板部分ですが、写真のように当たりやすい部
分だけなるべく大きくテーパーカットして、部材自体の強度や両端のホゾ部
分はなるべくホゾ強度を落とさないように円弧状のテーパーカットにしておき
ます。


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