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ベニマツについて 2004.12.11記

木材の桟積

軟材、硬材とか堅木の言葉が出てしまいますが、再度ベニマツについて少
し書いておきますと、パイン家具と良く言いますが、極一般的にはカントリー
家具と言われているものとか、ベイ松系をイメージすることが多いのではな
いかと思います。
パインは松の総称と捉えて良いと思いますが、当然パインといっても色々な
種類が有りますので、パイン家具と一まとめではくくれないほどさまざまです。
勿論ベニマツもパインですが、これは五葉松で国産材では姫小松と呼ばれ
ているものが一番近いようです。一般的に同じ樹種であれば暖かい所で育
つほど硬く重くなり、寒いところで育つほど軟らかく軽くなるといわれているよ
うに、詳しいことは知りませんが国内に出回っているベニマツはシベリアや
中国北部のものが多いようですから、寒い地域で育っていますのでとにかく
軟らかく、年輪の軟硬差も少なく加工が非常に容易で軽いことが一番の特
徴利点でしょう。一般的な感覚として、家具に使う素材としては不向きと思わ
れるところも確かにあると思いますが、この軽いということは実用的(日常使
い)な家具を作る(目指す)上においては相当な利点ではないかと思います。

ベイ松系はお馴染みだと思いますが、ホームセンターなどでも入手できると
ころもあると思いますし、扱った経験のある方も多いのではないかと思いま
すが、結構硬く脆いところが有ってバリが出やすく、年輪の軟硬差も結構大
きく、なかなか扱いにくい木ではないかと思いますが、同じパインでもベニマ
ツは全く別物とおもって良いでしょう。どちらかと言えばスプルスとかさわらの
ように癖がなく、非常に扱いやすい部類に入るでしょう。また見た目的にも
スプルスとかさわらのように自己主張のないおとなしい印象です。
またパインは松脂といわれるように、一般的には脂を連想してしまう傾向に
あると思います。事実ピーラーなどはいつまでも脂が染み出て来る傾向にあ
りまして、結構対処に頭を悩ませられることもあると思いますが、ベニマツは
脂壺こそありますが、それ以外の部分に関しては案外脂は感じられません
し、べとつくほどの染み出しもまずありません。勿論材によっては元(木下)
部分では脂の多いこともありますが、こうした材はそれほど多くないのでは
ないかと思います。

ベニマツの流通については詳しいことは知りませんが、勝手な想像ですが家
具材としては流通していないのではないかと思います。木型屋さんや仏壇屋
さんなど非常に限られたところで使われているだけで、ベイ松のように一般
的にはあまり出回っていないと思いますので、ホームセンターなどでの入手
はまず無理でしょうし、材木屋さんならどこでも扱っているとは限らないと思
いますが、まずは材木屋さんにでも当たって見るのが一番でしょう。
輸入先は先に書きましたように、シベリアや中国北部のものが多いようです
から、新潟や富山の港に入ることが多いと思いますので、裏日本の材木屋
さんでの入手が容易である可能性が高いようにも思いますが、逆に木型屋
さんや仏壇屋さんなどに入手先などを聞いてみるのも一方です。

部材の軟硬、軽重の個体差はどんな木でもありますが、ベニマツは基本的
に軽くて軟らかいので非常に良く分かりますが、硬重のものを選んだとしても
堅木比べれば軟らかく軽いものです。堅木ばかりを扱っている方が初めて
ベニマツと扱えば、特に軟らか目ものであればギョエ〜これバルサ・・・・・?
誇張ではなくそんな感覚を持つのではないかと思いますが、当然堅木に比
べて軟らかくて軽い分強度がありませんので、堅木で止めホゾならベニマツ
は通しホゾ、一枚ホゾなら二枚ホゾというように、接合では一手間かけてやら
ないと十分な強度が得られませんので、堅木を扱う方から見るとそこまでや
るの〜一寸やりすぎじゃん!と感じるのではないかと思いますが、それ程軟
らかく強度が無いということです。ただ堅木に比べて非常に軟らかく加工しや
すいことがありますので、一手間かけるといっても思ったより捗るでしょう。

但し当然軟らかいですから、凹凸の二次元三次元曲面ではペーパー仕上げ
する場合などではペーパーの番手を上げていっても押し傷が細かくなるだけ
で、目詰まりしやすくなったり思ったほどには効果が上がらず、堅木のように
は面が仕上がりませんので、ある程度のところで割り切ってしまうことも必要
でしょう。また一寸したことで押し傷が付いたりしてしまいますので、加工や組
み立てにおける方法や手順など結構気を使うことも出てきますし、白木のオイ
ルフィニッシュは表現が適切かどうか分かりませんが、作り置きやごまかしが
利きにくいところがありまして厄介と思えるころもありますが、とにかく加工しや
すい木ですから、私のようにさしたる技術があるわけでもない者でも、何とか
家具を作ることができているのも、私の場合はベニマツに負うところが非常に
多大であると感じています。
皆さんも手に入れることができる機会がありましたら、是非一度ベニマツを体
験してみてください。


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