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構造について 55 2004.11.11記

 

前項の例で挙げた写真のイスでは、前後を結ぶ貫は下の図のように前後
の貫同士に接合していますが、前脚間の貫を湾曲させていますので
部分は胴付きの 平ホゾでは接合が厄介になりますので、こうしたところは
胴付きの丸ホゾなどで接合してやればうまく収まります。勿論平ホゾに比べ
れば縦横各方向への捩れに対して機械的強度は落ちますので、他の部分
でそれなりに機械的強度を確保する工夫なり構造にしておく必要がありま
す。この辺りの加工についても Challenge 3 の「ペーパーコードを編んだ椅
子の製作過程」を参照していただければと思います。

こうした曲線や 曲面のところへ他の部材を接合する場合は、基本的に写真
のイスのように胴付きの丸ホゾ(平ホゾ即ち角ホゾでも構いませんが)の大
入れ(追い入れ)で対処するのが楽ですが、「構造について31」で書きました
ような持ち出し接ぎで接合してやれば、前脚間の湾曲した貫加工には一手
間かかりますが、平ホゾで強固に接合することが出来ます。
作図がうまくできませんので「構造について31」の項で書きました図を参考
に、自分なりに工夫してみてください。ちなみに分かりにくくて申し訳ないの
ですが、下の写真のイスの前貫部分はそうした持ち出し接ぎにした実例です。

またこうした貫を湾曲させた構造は角材による框組みならではで、シェーカ
ーチェアのような丸棒を削りだして、丸棒の部材で構成されたタイプのイス
では、加工などでまた別の厄介さが出てきますので、取り入れにくいのでは
ないかと思います。ただウインザーチェアなどではこうしたタイプの貫構造の
ものもありますが、ウインザーチェア自体は脚を転ばしますので足元に空間
が出来やすいですから、普通に考えていけば自然にこうした部分について
は使い勝っての良いイスになってしまうでしょう。

背面より  

とにかく貫を湾曲させますと、加工としては少し厄介な部分が出てきますの
で、また一つの例として二段目の図のように、前脚間の貫自体を後方にず
らして左右の前後を結ぶ貫間で接合してしまいます。当然この構造では前
後を結ぶ貫は、前後の脚同士間を直接結ぶことが前提になりますので、作
り やすさを考えれば前後の脚間の寸法は同じにしておきたくなります。
足元の空間は容易に大きく取ることが出来ますので、なかなか有効な方法
だと思いますが、前脚間に直接貫を入れた場合に比べて左右方向に対して
の強度としては弱くなりますので、必要以上に後に下げすぎないようにしてお
くべきでしょう。


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