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椅子について 14 2006.6.22追記

三脚スツール  
 
 

前項で書きました前脚を浮かした座り方をするには背もたれの位置が高
いほど、てこの原理でこうした姿勢が取りやすくなってしまいますから、物
理的にこうした座り方をある程度防ぐには、当然後脚の後方へ張り出しを
大きくしてやればよい事になりますが、イスとしての外形寸法が大きくなっ
てしまうのは致し方のないところです。勿論背もたれ部分の奥行き寸法も
ある程度おきくなってきますので、逆に考えれば背もたれの低いイスは軽
く小さく歩留まりも悪くなりにくいですから一つのメリットと捉えてもよいでし
ょう。

とりとめなく思いつくままに私が腰を痛めたときに感じたり考えた、腰に負
担が掛かりにくい正座的な座り方について書いてきましたが、この座り方
の一番の要点は骨盤の角度にあるのではないかと思います。いわゆる腰
の入ったとか腰を入れた(骨盤の立った)座り方は腰に無理が掛かりにく
いのではないかと思います。
骨盤が後傾してきますと上半身の姿勢としては猫背気味になってきますし、
背骨のS字カーブが乱れてきますので腰に負担が掛かり、腰を痛めやすく
なってしまいやすいのではないかと思います。
無意識のうちにもこの腰を入れた姿勢を取れてしまうようになるには、ある
程度そうした姿勢に必要な筋力を付けてやることや、自分なりに感覚的な
癖(訓練、練習)を付けてやらないといけないと思いますが、こうしたことを
考えると子供の頃からそうした姿勢に対する癖(習慣、躾)を身に付けてし
まうことも意義のあることでしょう。

当然イスで考えられることはそうした姿勢補助としての役割を期待できるわ
けですが、今まで書いてきたことを総合的に考えていきますと、おのずとあ
る程度の形が見えてくるのではないかと思いますが、背もたれの高さはわ
りと低めでよく、背もたれの仕様自体においてはラダーバックタイプの笠木
(横棒)で背中を支えてくれるタイプが自然でしょう。スピンドルタイプ(縦棒)
はどうしても背当たり部分の寸法が高くなりやすいですし、座面と背もたれ
の下端の空間が狭くなりすぎやすいですし、場合によってはウインザーチェ
アのように座面からスピンドルを立ててしまいますと、腰を後に引く限界が
できてしまいますので、体形差や座り方の個人差による背もたれと腰の位
置関係で腰の引き方の微調整ができにくく(狭く)なってしまいます。ですか
らこのタイプではお尻の後ろの座面から背もたれまでの空間をある程度取
って、腰の位置を加減できる範囲を広くしておくことが結構重要な要素では
ないかと思います。そうしたことを考えていくと笠木タイプに分があるでしょう。

こうしたことはあくまで正座的な座り方をする場合のイスに限定したことです
し、何度も書いていますようにあくまで私が腰を痛めてしまった体験から感
じたり考えたことですから、内容自体に普遍性が有るかどうかは分かりませ
んが、イス を考えていく場合の一つの方向性としては意味のあることでしょう。
 

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