2011年7月号 ←前へ   次へ→
今月の御言葉

使徒信条(2)「父なる神」
 教会の礼拝は、祝祷をもってその式順を終えます。祝祷は本来、「祝福の祈り」とか「派遣の祝福」として、その多くは聖書に見られる言葉が用いられます。わたしたちの教会の祝祷は、民数記の6章24〜26節の「アロンの祝福」とコリントの使徒への手紙(二)13章13節の「三一論祝福」を用いています。「三一論祝福」というのは、父なる神、子なるキリスト、聖霊の三つのもので、神からの祝福を表しています。そのことを「三位一体」と言います。別の言葉で、三位格一実体」とも言います。父・子・聖霊の三つの位格とは、一実体である神が、神であるための三つの在り方のことです。神ご自身が、父・子・聖霊なる永遠の存在であるということです。豊かなその神を信じるというのは、わたしが愛されていることを心から信じて信頼し、すべて委ねて生きることです。ところが、そのように生きようとするとき、いつもわたしの罪がじゃまをします。こんな罪深いわたしが神を信じるようになるために、キリストは十字架上で死んでくださったのです。ですから、神を信じるには、キリストに救われることが必須のことなのです。ヨハネの手紙(一)2章23節に、「御子を認めない者はだれも、御父にも結ばれていません。御子を公に言い現す者は、御父にも結ばれています」と言われているように、祝祷の言葉は、キリストから言いはじめられることになるのです。神が父であると信じるのは、イエス・キリストと深く関わっていることがわかります。この主イエス・キリストを通して罪赦され、神を信じ、そして神を父と信じるものにされるのです。わたしどもを愛してやまない神は、その一人子を世に降され、その恵みによってわたしどもは神を父と呼ぶことを許されるのです。

 主イエスは、よく静かな所で祈られるお方でした。そして祈りのとき、「アバ、父よ」と神に呼びかけられています。この「アバ」というのは、ユダヤの子どもたちが「お父ちゃん」と父親を呼ぶ時の言葉です。主イエスと同じように、わたしどもも親しみを込めて神を「アバ、父よ」と呼ぶことのできる恵みが与えられました。そのように神を父と呼んで信頼し、神と共に生きたいと願うとき、自らの罪を悔い改め神のもとに立ち帰ってゆくことが必要です。それがなければ神を父と呼ぶことはできません。神は、背く者が絶ち帰る日を忍耐深く待ち望んでおられるお方です。このような神を信じることが、どんなに確かで、安心できるものか、改めて感謝して受けとめたいと思います。

( 牧師 丸田 久子)



教会員の投稿
■丸田 久子

日本伝道の展望
 第21回日本伝道協議会全国大会が4年ぶりに6月6日(月)〜7日(火)の2日間、東京神学大学で開催され全国から80名近い教職と、大学から教授と神学生63名の総勢140名を超える出席のもと「日本伝道の展望」を主題に話し合いが行なわれました。その6日の初日の近藤勝彦学長の主題講演で語られた要旨をご紹介します。

1.日本伝道の深刻な現状
  • 教団年鑑の統計では、この10年間で、ほぼ毎年1千人の会員を減らし、現住陪餐会員数が9万人を割ろうとしています。その深刻な現状は、主日礼拝出席者数に現れていて、その数は5万9千人から5万7千人に減少し、礼拝出席者は毎年300にんづつ減少し、日本基督教団は急速に「縮小」しつつあると言えます。
  • 「減少」の原因となっている一つは、「少子高齢化」です。礼拝出席のできない高齢者の増加。その他にも「過疎化」現象による教会周辺の空洞化による伝道の困難や世俗化の教会への浸透による伝道の困難などがあります。
  • 年金生活の信徒が多く、牧師を迎え、支えることの重圧が信徒の疲労感を増大させ、牧師不在が信徒の休息になるという異様な現象は、牧師の責任と伝道者養成の神学校の責任が問われることです。
  • に本伝道の展望について唯一言い得ることは、「他に救いはない」という厳粛な事実です。
2.日本伝道をいかにして切り開き、推進していくか
  • 「人間の窮状」の究極的な救いを約束し、実現するのは、ただ「救い主イエス・キリストにおける神」であり「御霊の働き」によることです。「わたしたちの救われるべき名は、天下にこの名のほか人間には与えられていない」と言う変わることのない事実が、日本伝道の展望を切り開くでしょう。
  • 今、「キリストの福音」を深く理解し、「新しい言葉で」救いを伝える努力が求められています。そのために聖霊に働きを求め、聖霊の働きによって教会と信徒が、牧師が変えられなければなりません。そこには悔い改めが必要です。
  • 伝道的な力を持った礼拝、「伝道のためのプログラム」をもち、教会学校のあり方や求道者会、入門講座、高齢信徒への教会、信徒の家族への働きかけ、訪問や電話での働きかけ、葬儀や記念会などの充実や工夫、そのあり方を探るきめ細かな方策を考えることが必要です。
 伝道の困難なときにこそ生ける神が日本伝道のために創造的に働いておられ、わたしたちの熱心な応答の祈りと、伝道者集団の形成、その一大奮起を神は促しておられます。独り子を惜しまなかった神は、日本伝道を決して見離してはおられません。イエス・キリストの救いの喜びと主にある愛をもって、イエス・キリストにある神の救いの御技を、聖霊の導きに服して伝えていきたいと思います。

■安田 志峰

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