2011年度の教会の主題を「教会」としました。教会は、礼拝に集うわたしたちの信仰によって形作られ、また、わたしたちの生活もそれによって決まってきます。この大切な信仰についてわたしたちの教会はどのように信じているのでしょうか。これに答えるためには、協会を導かれる神、キリスト、聖霊について知る必要があります。
教会は、信仰の基準とも言うべき信仰告白を礼拝の中で唱えています。新約聖書に記されている教えが完結に要約されている使徒信条によって振興を告白しています。この信仰告白は、教会の一致のしるしでもあります。個々の教会は共通の信仰を持ち、告白する教会と共に主イエス・キリストの体の一部となって、共同体を形成するのです。
使徒信条が、現在の形になったのは紀元八世紀頃のことですが、その基盤と見られているのは古ローマ信条です。古ローマ信条は、洗礼と結びついて用いられ、キリスト教信仰の書記の定式として二〜三世紀初頭にかけて、既にローマで用いられていたと考えられています。ローカルな洗礼信条として、いったんローマを離れて整えられ、再びローマに受け入れられ、教会の正当な信仰を言い表し、洗礼を受ける前の受洗者教育とともに正しい教理を信条の形成によって確立することを目指してきました。
使徒信条は、中世の西方教会で受け入れられ、さらに十六世紀の宗教改革者たちtによって用いられました。そして今日、ローマ・カトリック教会そしてプロテスタント教会によっても用いられている信仰告白です。
使徒信条と言う呼び名は、教会形成の中核となった使徒たちが語った信仰の教えから来ています。使徒信条は新約聖書の教えを要約していてキリスト教信仰を明確に理解するためには、この上もない助けとなるものです。
使徒信条は、教会が攻撃にさらされたり、あるいは害のない新奇なものとして無視されながら心ならずも保護をうけるなど、この世の無理解にさらされるとき、キリスト教の新たな信仰の回復の起点として役割を果たしうるのです。
異なる伝統や言語、国家を持つキリスト者、さらに異なる世代や世紀のキリスト者の信仰を一つに結びつける役割を果たすことの出来る、共通の信仰を告白するという経験や感動によって、教会の活力を与え続けて来たものです。この使徒信条に語られている、教会の信仰についてご一緒に学んでゆきたいと願っています。
( 牧師 丸田 久子)
|