2011年4月号 ←前へ   次へ→
今月の御言葉
<新任牧師 自己紹介> 「牧者として派遣され・・・」
 わたくしが、み言葉を取り継ぐ牧者として召命を受けたのは、年齢を重ねた50歳を過ぎてからです。教会へ通いはじめて1年後の1992年3月に洗礼に与り、それから7年後の1999年4月に東京神学大学に入学致しました。教会に導かれて召命に至るまでの8年余りの間、わたくしのこれまでの人生が大きく方向転換させられました。

 東京神学大学大学院卒業後、最初の赴任地となったのは、奥羽教区の秋田地区にある礼拝出席5名の小さな群れの教会でした。折しも赴任した2005年度は、秋田でも47年ぶりと言われる大雪の歓迎を受けて改めて北国に遣わされたことを実感しました。秋田飯島教会での牧会の働きをこの3月を区切りとして6年間の務めを終えました。主のみ心によって新たに中部教区の豊田教会での働きを示されました。離任の手続きが整い、秋田市から豊田市へ移動する矢先の3月11日に東日本大震災が起きました。震源地の宮城県は、わたしの兄弟たちや多くの親戚が暮らす故郷です。震度5の激しい揺れで電源が絶たれ電話やテレビ、ラジオなどの情報手段が2日間にわたって途絶えてしまい、太平洋沿岸の甚大な被害について後で知ることになりました。さいわい親族の無事を1週間後に確認することが出来ました。

 奥羽教区で共に伝道に励んできた沿岸沿いの教会と同労者たちの被害報告そして支援要請の中、赴任先への移動の日が近づき、震災地への思いを抱えながらの赴任でした。

 牧師となって初めての赴任そして転任に際しての出来事は、生涯忘れることの出来ない印象深いものとなりました。すべてのことは主の御心の内にあることと受けとめ豊田教会の礼拝でみ言葉を語り続け、十字架の救いの恵みに生かされながら信徒の方々と共に伝道の働きを担い合い主のみ心に従って行きたいと願っています。

 早朝のウォーキングを始めてからもう20数年になります。今では元気でいられる一つの手段として欠かせない日課になっています。4月から教会から浄水駅まで歩いています。

( 牧師 丸田 久子)



教会員の投稿
■久保地 順子

 映画「ヤコブの手紙」を見て

水曜日の聖研の後、O姉より教えてもらい昼食後すぐ夫と名古屋まで行ってみてきました。<信徒の友>の1月号にも掲載されています。感動のあまり誰かに伝えたくて書きます。

 「ヤコブの手紙」とは、90歳ぐらいの孤独な盲目の老牧師ヤコブのもとへ届く大勢の人からの悩み相談の手紙を意味しています。その手紙を読み聖書から引用した牧師の返事を書くために雇われた40歳前位のがっしりとした恐ろしい風貌の女性レイラ。それもそのはず彼女は愛する姉に暴力をふるう義兄を殺してしまい12年の囚人生活から特赦を得て刑務所から出てきたばかり。

 美しいフィンランドの森の川向こうにひっそり立つ会堂。荘厳なコラール風ピアノ曲が流れ荒れ果てた牧師館に古ぼけた安っぽいスーツケース1つでたどり着いたレイラを盲目ながら紅茶とパンを用意して迎えるヤコブ。この前まで助けてくれていた夫人が老人ホームに行ってしまい困っていたと。

 庭の白樺林の中ほど古いゆったりとした白い籐いすとテーブル。そこで人間性をすっかり失ったレイラはふてくされた態度で毎日自転車で来る〒配達夫が届ける手紙をヤコブに読み聞かせる。彼はそれらのたわいない質問にも考え考え愛情たっぷりの表情で聖書の言葉をひねり出す。

 暗く埃っぽいお化けが出そうな牧師館の彼のベッドのしたにはもう入りきれないほどの過去の手紙の束。そして棚のラジオからは気品あるクラシックの名曲が穏やかに流れる。雨の日。部屋のあちこちで雨漏りがしバケツで受けている。

 ある日レイラは毎日の手紙が疎ましくなり裏庭の井戸に放り込む。配達人とも対立し彼は手紙を届けない。世の人々から頼りにされ聖書から答えるというヤコブの生きがい、神に最後まで仕える仕事を失った彼。

 そんなある日、彼は司式の礼服に身を包み、結婚式があるからと向かいの会堂に聖書を片手にレイラを伴い出かける。古いさびれた会堂の中来るはすのない客を待つ彼。認知症?レイラはついに切れ、出て行く決心をしタクシーを呼ぶが結局とどまる。

 仕方なく籐イスでヤコブにうその手紙を自分で作り聞かせているうち、いつの間にか、自分自身の恐ろしい過去、悩み相談を涙ながらに語り始める。感動のシーン。そして実は愛する姉がヤコブにレイラのために祈ってほしいと何度も手紙を出していたこと。特赦はヤコブから願いでだったこごが判明。

 最後、下着のまま倒れ息絶えたヤコブ。落ち着いたレイラの通報で現役の牧師らしい数人の男性によって白い布で覆われ車に。レイラにねぎらいの握手をして終わりました。


■藤井 育代



■安田 志峰

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