2009年7月号 |
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イサクはヤコブを呼び寄せて祝福して、命じた。「お前はここをたって、パダン・アラムのベトエルおじいさんの家に行き、そこでラバン伯父さんの娘の中から結婚相手を見つけなさい。どうか、全能の神がお前を祝福して繁栄させ、お前を増やして多くの民の群れとしてくださるように。どうか、アブラハムの祝福がお前とその子孫に及び、神がアブラハムに与えられた土地、お前が寄留しているこの土地を受け継ぐことができるように。」
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創世記 28章1節〜(新共同訳) |
イサクの長子エサウは、母リベカと弟ヤコブの策略で長子の特権を奪われます。エサウはだまされたと知り、憎しみが募り、「年老いた父はほどなく召されるであろう、その時になったらヤコブを殺す」と心にするのです。それを知った母リベカ、なんとしてでもヤコブを助けたいです。夫イサクに、嫁さがしの旅にヤコブを出すことを促します。上の聖句は、そこでイサクがヤコブに言った言葉です。
あわれなエサウ。空腹を満たしたいと願ったことが、自分の人生を変えることになろうとは…。アブラハム、イサクと神様の祝福を継いでゆく、その歩みをエサウは継ぐはずでした。幼いころから人生設計の中に組み込んでいたかもしれません。それでもほんの小さな願いのために、かけがえのない大事なことをおろそかにしたことは間違いありません。その自分のふがいなさを含めてすべてヤコブへの憎しみへと集約させてゆきます。母と弟がまさかだますとは、確かにひどいです。
人生はどの人生を山あり谷ありです。理不尽なこと、計算に合わないこと、行き当たりのこと、たくさんあります。それがその人の人生です。でもだからと言って目の前の欲望を満たす生き方がよいのではありません。エサウにとって、憎しみが生きてゆく上のエネルギーになったとしたら、もう神様を思う心なぞ消えていますし、こんな悲しいことはありません。
逃げたヤコブ、祝福をイサクから受け継いだにもかかわらずエサウから逃げます。その後のことを含めて彼も人生山あり谷ありです。ただ一点祝福を受け継ぐ者としての歩みを神様が彼の上に置かれた、彼はその人生を歩みます。神様を思う人生です。
私たちは、神様の導きを全て、分かるのではありません。でも憎しみがエネルギーになるような人生でなく、主がいて下さることを知る人生を全うしたいです。私達も祝福を受け継ぐ者としての感謝を神様に述べることができるはずだからです。
( 牧師 金井俊宏 )
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■深津 玲実 |
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「弟子の足を洗われるイエス」 ヨハネによる福音書13:1-5
*愛泉館のイースター集会でサマリアが奉仕する時使うスライドには、必ずと言ってよいほどこの場面が登場します。
*「洗足木曜日」の場面で、この聖書の箇所を実にたくさんの画家たちが描いています。このイラストで足を洗っているのは「主イエス様」、恐縮して洗ってもらっているのは、弟子のペトロでしょう。
*足を洗うのは奴隷の仕事でしたから、イエス様のこの時の言葉「師である私があなたがたの足を洗ったのだから、あなたがたも互いに足を洗いあわなければならない。」との言葉は、わりに抵抗なく受け入れられるものでした。
*しかし、この時、恐縮したペトロが問題発言をします。「わたしの足など、決して洗わないでください」と。イエス様はこれに対して、「もし、わたしがあなたを洗わないなら、あなたはわたしと何のかかわりもないことになる。」と答えられました。
*このペトロの発言は、私に限らず、日本人の誰もが言いかねない言葉です。「そんな恐れ多いことをしていただけません。」というのです。しかし、この思いは裏をかえすと「していただかなくても、自分でできます。」ということになる。謙遜は傲慢の裏がえしになるというのです。
*ペトロはなおも言います。「主よ足だけでなく、手も頭も」と。これに対してイエス様は「すでに体を洗った者は、全身清いのだから、足だけ洗えばよい。」と答えられました。
*調子にのったペトロの「足だけでなく、体も」との発言に、でも、イエス様は丁寧に答えてくださいました。体を洗った(洗礼を受けた:この時は悔い改めをさす)者は、足だけ(罪の赦し)でよい」と。
*「洗足」という行為が、イエス様の十字架のさすということが、「わたしのしていることは、今あなたにはわかるまいが、後で、分かるようになる」のお言葉通り、後になってわかりました。
*はじめ、互いに足を洗い合うようにとイエス様が模範を示してくださったのだから、イエス様に倣おうと、抵抗なく受け入れられると思ったのは、理屈の上でのことでした。これは律法的な意味の勧めではなく、イエス様に足を洗っていただき(十字架よる罪の赦しを受け入れ)、それによって、心からの喜びをもって互いに足を洗い合う者とされるという福音なのでした。
(文:榎本 久美江
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■安田 志峰
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