Welcome to   Wood worker kei   home page

    
 

Top
Information
Exhibition
Challenge
Challenge2
Challenge3
Link

 

 Challenge 2                               << 前へ 次へ >>

ホゾについて 74 2003.10.4記

接着剤に関して、通しホゾでは余分な接着剤はホゾで押し出されてしまい
ますので問題ないのですが、止めホゾではホゾを挿し込めばホゾ穴は密
封状態になりますので、余分な接着剤はホゾ先に溜まることになりますが、
普通ホゾ穴深さはホゾ先が当たらないようにするためと、余分な接着剤
溜まりになるように少し深めに掘りますが、接着剤を塗布し過ぎますと接
着剤の逃げ場がありませんので、ホゾが入りにくくなることも起きてきます。

矢印(ホゾ幅)寸法をきつめにしたり、ホゾを利かせれば利かせるほど
機密性が上がってしまいますから、接着剤の多い状態で強引にホゾを叩
き込めば これもホゾ穴部材を割ってしまう一つの要素となってきますので、
少しでも 接着効果を期待してついつい多めに塗布してしまいがちですが、
止めホゾの場合は特に接着剤は適度な量を考えなければいけません。

またホゾの組み立てにおいて、一般的にはホゾはホゾ穴に叩き込むこと
が多いと思いますが、上に書きましたように止めホゾではホゾ先が密封状
態になりますので、叩き込むような衝撃的な力を加えた場合と、クランプで
ゆっくり締め付け行く場合では、ホゾ穴部材に対する力の加わり方が随分
違ってくると思いますので、こうした組み立て方法もホゾ穴部材を割ってし
まう一つの要素となってくるでしょう。
例えばホゾ穴容積が大きくて非常に密封の良い状態で、接着剤の無しで
急激に叩き込んだ場合でも、注射針の穴をふさいだ注射器のようなもの
ですから、空気が逃げ切れずにホゾ穴部材を割ってし まうような力が大き
くかかることが想像出来ますから、接着剤が充満していれば尚更です。

ここまで一つのホゾだけで見てきましたが、実際には家具を組立てるわけ
ですから、複数のホゾを同時に組み立てる時などには、全体のホゾをなる
べく均等に差し込んでいきませんと、傾いてホゾを差し込むことになります
のでホゾ部分に負担がかかり、これも場合によってはホゾ穴部材を割って
しまう一つの要素になる可能性があります。

ホゾの組み立てでホゾ穴部材を割ってしまう原因は、今まで書いてきたよ
うなことを含めた色々な事柄の、複合要素の結果として起きてしまうと考え
られますので、通しホゾはホゾ穴を貫通させますのでホゾ穴の部材強度と
しては落ちますが、組み立て自体ではその性質上部材を割ってしまうこと
は止めホゾに比べて少ないのではないかと思います。そうしたことから止め
ホゾでは特にこうしたことを考慮して木の性質を良く考えて対処していけば、
部材を割ってしまうようなことは避けることができるでしょう。


                                                                         << 前へ Page top 次へ >>