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構造について 157 2005.6.27記

引き出し 包み打付け継ぎと取手  

吊り桟についてはスライドレール同様に、本体を組み上げてしまった後か
ら取り付ける構造にし易いですから、引き出し付きのキャビネットでは構
造が複雑になり部材数が増える傾向にありますので、組み立てが忙しく
大変になりそうした面から見ますと助かります。
上左図は写真のような吊り桟の引き出し側面を表していますが、必然的
楕円部分が引き出しストッパーになりますので、実際に引き出しの面
合わせを考えますと、ほんの少し吊り桟を長めにしておき、引き出しを組
み上げてから現物合わせで確認しながら、吊り桟の前部木口をノミで落と
して面一に調整します。
この吊り桟の木口を削るだけで引き出しの面合わせをする訳ですが、本
体の組み上がり状態、吊り桟の取り付け状態や相互の関係、また引き
出しの組み上がり状態など色々な要素の絡みで、引き出し四辺が面一に
ならないことも起きてくる可能性が有りますので、吊り桟方式に限らず IN
SET の引き出しでは特に注意が必要です。

吊り桟では楕円部分が引き出しのストッパーになりますので、当然引き
出しの奥行きは、本体内部の有効寸法いっぱいまで取ることができますの
でスペース効率は上がります。
またチェスとなどで吊り桟の引き出しを上下方向にい くつも並べる場合は、
二段目の図のように なり、当然引き出し間は桟など必要ありませんから、
この面からのスペース効率も上がります。こうした方式でチェストなどを作
りますと全体の構造としては随分簡素化できることになると思いますが、逆
に全体の左右を結ぶ桟(貫)などがありませんので、本体強度としては落
ちることになります。
勿論左右方向に引き出しを並べる場合は、吊り桟を取り付けるために縦
の桟が必要になりますので、必然的に左右を結ぶ横桟が必要になってき
ます。

後一つ楕円部分が引き出しのストッパーになりますので、この部分で引
き出しを収める(押し込む)時の衝撃を受け止めることになります。小さい
引き出しでしたら何の問題も考える必要もないと思いますが、大きい引き
出しや重いものを入れる可能性がある引き出しでは、この楕円部分に
かなりの衝撃が掛かり続けることになりますし扱いが荒くなりやすいので、
長い耐用年数を考えた時には破損してしまう可能性が有りますから、吊り
桟方式でも後部にストッパーを設けて受け止めるなり、そうしたことも頭に
入れて設計していく方が良いでしょう。


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