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構造について 152 2005.6.17記

引き出し 包み打付け継ぎと取手  

次にまた箱物に話を戻しまして、引き出しについて少し見ていくことにしま
す。引き出しはチェスト(箪笥) に代表されるように、箱物ではなくてはなら
ない一つの機能で、重宝するも のだと思いますが、引き出し自体とそれを
収める本体の構造も複雑になり ますし、嵌め合いと収まり調整は扉など
よりも微妙になることが有りますので、家具作りの中においては 結構手間
も掛かかり、精度も要求されますから難しい部分になります。当然部材の
使用量もかなり多くなりますので、引き出しを付けることで家具の重 量とし
ても重くなってきます。

引き出しの収め方として全体の構造を含めてみますと、和箪笥に代表さ
れるように、本体(箱)自体を密閉構造として、引き出しの嵌め合いと収ま
り調整を非常に密にして仕立てておき、引き出した引き出しを元に戻す時
にその空気で押されて、他の引き出しが飛び出して来る状態にしてありま
す。
一方洋ダンスは極一般的に普段の生活で使われている、チェスト(箪笥)と
言うときにイメージするものと捉えて良いと思いますが、本体の底板などを
省いて開放構造とし、引き出しの出し入れによる他の引き出しへの空気の
影響を無くしてしまい、引き出しの嵌め合いと収まり自体も形状を含めて荒
く(隙間を多く取るという意味ですが)仕立てて、引き出しの出し入れが少し
でもスムーズにいく状態にしあります。

現実問題として和箪笥のような仕立ての引き出しに、日常生活での衣類を
収めて使うことを考えますと、引き出す時は抵抗が大きいですし、当然戻す
時にも抵抗が大きく、他の引き出しとのもぐら叩き状態になってしまいます
ので、使い勝手から見た時には扱いにくいものに感じてしまうことが多くなっ
てしまうのではないかと思います。
一方一般的な洋箪笥のような仕立ての引き出しでは出し入れは容易ですか
ら、普段使いの家具としては扱い易いと見てよいでしょう。
勿論これは前に書いていますように、当たり前ですがどちらが良いとか悪い
ではなく、適材適所、向き不向きの問題ですから、それぞれに適した使い
方があるということですし、それ以上に自分にピッタリ来るものを使うことが
何と言っても一番でしょう。


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