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構造について 119 2005.4.12記

背面より  
背座8ミリ綿ロープ巻き(背面より)  

ダイニングチェア的なイスは、どちらかと言えば生活必需品と言って良い
ほどのイスですから、使う目的から使用頻度の高い色々な意味で実用性
を重視したイスとして考えていく傾向が高いと思いますので、色々な変化
を付けにくいところが有りますが、一方イージーチェアはどちらかと言えば
なくてはならない椅子ではありませんが、気に入ったイスでの一時のくつろ
ぎや、そこにそのイスがあるだけで楽しくなったり生活に潤いを与えてくれ
るような、嗜好品的要素の高いイスではないかと思いますので、制約が少
なく遊び感覚 を盛り込んだり構造を工夫したりと、作る側においても使う
側においても何かに付けて自由度の高いイスではないかと思います。

イージーチェアは背座の角度を大きく倒したものと決め付ける必要はあり
ませんし、そうした先入観は無用だと思いますが、やはり極々一般的には
安楽性を求めれば、SHの低い背座を倒すイスになる傾向にあるのは確
かでしょう。
上の写真のようなダイニングチェア的なイスでは背を大きく倒しますと、後
脚を大きくくの字に曲げることになりますので、材料の歩留まりが相当悪く
なりますし、部材強度としても当然悪くなりますので、全体の構造を含めて
一番考えなければいけない部分になってきます。勿論構造自体は色々考
えられますので、逆に言えばバリエーションが豊富になると捉えることもで
きますから、作る側にとってもエヘヘと楽しいことになってきます。

イス自体はどんなタイプにしろ、他の家具に比べて曲線、湾曲や角度が付
くことが多くなりますので、かなり歩留まりの悪い家具になってしまいますか
ら、可能な限り歩留まりが良くなる方向で考えていく必要はあるで しょう。
ただこうしたことは強度に関わる物理的なことに関しては、どんな場合でも
クリアーしなければなりませんが、それ以外については人それぞれの考え
方が有りますので、歩留まりや材料の有効利用を重視するもよし、デザイ
ンを最重視するもよし、自分なりに追求していくことになります。

私の場合は材料の入手、即ち自分のところに材料が届くまでの全ての道
筋のことを考えますと、歩留まりを重要視して考えていきたいと思っていま
すが、好みは別にしてシェーカーチェアのように直線部材の多い構造では、
歩留まりはかなり良くなりますので、そうしたことも取り入れながら、安楽性
の高い三次元曲面と各部の必要角度を、いかに作り出していくかが思案
のしどころになります。


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