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構造について 108 2005.3.21記

片持ち式の接合部分の強度を上げることだけを極端に考えてみますと、
接合方法は置いておいて、色点線のように矢印部分を厚くしていけ
ば片持ち式としては当然強度が上がります。また接合部分の矢印の
脚寸法が大きくなればなるほど、接合部分の座面の挿し込み寸法を大き
くすることが出来ますので、片持ち式の強度が上がります。勿論矢印の
脚の板厚を厚くしていけば、座面を支える面積が広くなりますので強度が
上がってくることになります。ただ脚については他の部分との関係が有り
ますので、総合的に見ていく必要があるのは言うまでもないでしょう。

イスは座面角度や背座の角度がある程度必要になりますので、必然的に
この椅子の座板は脚に挿し込む角度が付いていますし、脚自体も背の角
度を出すために摺り足に対して角度を付けて挿し込んでいますが、この角
度が付くことで部材加工、組み立てと製作的にはかなり面倒になりますが、
この角度が付くことでイス全体として強度が上がり、こうした構造のイスを
実現していると言っても良いのではないかと思います。要するにこの角度
の取り方、特に脚(柱)の傾斜がこのイスの要(みそ)と捉えて良いでしょう。
(極大雑把にベクトルをイメージしていただければ理解しやすいと思います。)

これは角度を付けない場合と比較してみると分かりやすいと思いますが、
この際座り心地については無視して、このフレーム構成を直角で組むこと
を考えますと、二段目の図のようにな ると思いますが、これで座れば座面
矢印のように負荷が掛かりますので、座面の接合部分に加重全ての
負担が掛かってくることになります。そしてこの負荷は摺り足と柱の接合
部分に全て掛かることになりますが、この時の力の掛かる向きは矢印
方向だけになります。勿論座面でも同じことですが、こうした片持ち式では
構造的にてこになりますので、座面では座の先端部分に座った場合と奥一
杯に座った場合(実際にはこの状態が多いと思いますが)では、接合部分
に掛かる力は随分変わることになりますが、柱と摺り足の接合部分では座
面までの距離は変わりませんので、条件としては厳しいものになると見て良
いのではないかと思います。

そこで実際には背部分に傾斜が必要になりますので、一般的な四脚では後
脚をくの字に曲げてこれを実現することが多いと思いますが、このイスでは
柱(脚)を直線仕様として、背部分の傾斜を柱そのものの傾斜にすることで、
上の左図のようになります。


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