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ホゾについて 15 2003.3.18記

図のような三方胴付き平ホゾ接ぎで L字に接合することを見てみますと、
二点差線を天板と仮定すれば、これは箱物などでよくある接合になります
が、前に書きましたようにホゾ穴は丸部分のように木口から少し控えて
ホゾ穴を設けることになりますので、部材寸法にもよりますが、必然的に
矢印のホゾ寸法が小さくなる傾向にあります。勿論部材寸法が小さけ
れば尚更です。
当然矢印方向に対して精度よく位置が決まりにくくなりますので、なるべ
く部材がぶれないようにするためには、どうしても矢印のホゾを伸ばして
おきたいところですが、そのまま伸ばしてしまえば前に書きましたように、
切り欠きの包み三枚接ぎになりホゾを利かすことが出来ませんので、左図
の点線のようにホゾ先部分を切り落として、ホゾ元部分だけを伸ばします。
この部分を小根と言い、 このホゾを小根付き平ホゾ接ぎと言いますが、こ
うすることでホゾが長くなりま すのでぶれにくくなりますし、ホゾを利かせる
ことが出来ます。
小根部分の掘り込みは木口部分からですから弱くなりますので、少しでも
強度を落とさないように二段目の図のように小根を対角で三角の落としま
す。これはそぎとか斜め小根付き平ホゾ接ぎと言います。
ただここではL字に接合する場合においての、小根の捉え方を書きました
が、また他のホゾ仕様による小根では別の意味合いも出てきます。

ブレに対してはなるべく矢印寸法を大きくする観点から見てきましたが、
矢印寸法の大きい部材を接合する場合を見ますと、三段目の図のよう
になります。ここでは一応両胴付で書いていきますが、木についてで書き
ましたように、縦横の木の伸縮がかなり違いますので、矢印の寸法が問
題になってきます。
当然矢印方向は木の伸縮が大きいですから、木が伸びる場合はホゾが
利く方向になりますので、問題は出ないと思いますが、縮んだ場合は
印部分の見栄えが悪くなる可能性が有りますし、ホゾの利きが弱くなりま
す。それならば木が縮む分寸法を大きくして、ホゾを利かせておけば良い
ようなものですが、矢印の寸法に関係なくホゾとホゾ穴のホゾを利かせる
寸法関係は殆ど変わりませんので、矢印の寸法が大きければ縮む分を
見越せばホゾ穴に挿し込むことが出来なくなってしまいますので、どうして
も大きい部材ではホゾの利かせ分が木の縮みで吸収されてしまいます。
また木がなるべく縮んだ状態で作業を進めてやればホゾの利きが悪くなり
にくいので、加工組み立て時の湿度も考慮に入れなければならなくなります。
また矢印面はホゾを利かすことが出来ませんので、ホゾ穴との面接
触で接着剤の接着力による接合ですから、木の伸縮により絶えず接着剤
(面)に負荷がかかり続けますので、ホゾ自体の接合強度が落ちる可能性
があります。


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