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構造について 68 2004.12.7記

背面より

前に書きましたように、ベニマツのような軟材でなんとか座枠を丸棒で作
ることを考えますと、強度の関係で矢印寸法が大きくなってしまいます
ので、矢印寸法はなるべく押さえて、矢印のように寸法を伸ばして薄
い板にして、ペーパーコードを掛ける外側のみ R 面を取って強度を稼ぐこ
とになります。
ここで座枠のホゾを考えて見ますと、座枠をこうした板状にした場合は
矢印寸法を小さくすることができますが、軟材は強度がありませんのでホ
ゾ仕様云々より、ホゾ部分の物理的強度を上げるためには、どれだけの
物理的体積を差し込めるかが問題になります。また接合強度自体を上げ
るためには、一番単純には通しホゾにしてやれば良いことになります。

写真のイスの編み方では前後左右の座枠の位置関係は、これも前に書き
ましたように四辺同じ位置に配する場合と、写真のように前後左右に段差
を付ける場合がありますが、当然四辺同じ位置に配する場合は、矢印
寸法が小さいですからホゾの物理的強度と接合強度共に稼ぎにくくなりま
すが、構造としては Challenge 2 の「ホゾについて 24」に書きました、通し
違いホゾ接ぎとか相欠き通しホゾ接ぎ(こちらは私が勝手に付けた呼称だ
す)と言ったりするものになります。
前後左右に段差を付けた場合は段差の付け方や部材寸法にもよりますが、
相欠き部分がなくなると考えてよいことに成りますから、それぞれほぼ単独
の通しホゾとして組むことができますので、ホゾ部分の物理的強度と接合
強度共に有利になります。また部材加工としてもホゾ、ホゾ穴共に楽になり
ます。

仮に部材強度が確保できて座枠を丸棒(勿論ストレートになりますが)にし
た場合は、ホゾについても丸ホゾにするのが自然ですし楽ですが、その場
合のホゾについては、ホゾ部分の物理的強度と接合強度を考えれば、全体
を大入れで挿し込んだ二段(胴付き)の通し丸ホゾになります。下の図はそ
の場合を断面で表わしたところですが、当然四辺同じ位置に配することは
難しくなります。この辺りは平ホゾであれば先に書いていますように、同じ位
置に挿し込む場合は、相欠きにして通しホゾで組むことは容易ですが、丸ホ
ゾでは難しくなりますので、ある程度は逃げのために段差を付けることが必
然になります。


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