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構造について 52 2004.11.5記

前にも何処かで書いていますように、 イスでは一般的に背側の幅を絞るこ
とが多いと思いますが、上の図は脚の位置関係を上から見たところを表し
ていますが、図の上側が絞った背側を表わしています。
これは腰から上半身までは体の幅は変わりませんが、腰から膝までは膝を
開いたり閉じたりすることで幅が変わりますので、イスの幅にある程度の余
裕を見ておく必要があることになり、そうした事からある程度必然的に背側
を絞った形に落ち着いてしまいます。これは逆に見れば前側は体の動きを
考えれば背側より少し余裕見て広くしておきたいことになります。

背板は背当たりを考えれば湾曲を取りますので、かなり歩留まりの悪い部
分になりますが、湾曲自体は結構大きく(小さいR)取りますので、後脚間
寸法がかなり微妙に影響してきますが、たとえ僅かでも絞ることで部材
の歩 留まりはかなり良くなります。当然イス自体は軽くなりますし、スペース
的にも 有利になり取り回しにおいても楽になるでしょう。構造的にもフレー
ム形状に三角が入った事になりますので機械的な強度も上がりますし、背
のように湾曲の大きい部材は部材自体の機械的強度が落ちますが、幅
を狭くすることで多少なりとも強度UPにつながります。
個人的な好みは当然ありますが、外観的にも小ぶりな印象で収まりよく感
じます。ただこう書いて来ると良いこと尽くめのように感じますが、当然作る
側から見ていきますと、両側の前後を結ぶ部材には角度が付いてきますの
で少し厄介になります。

もう少し現実的なイスの仕様で考えますと、二段目の図のようになると思い
ますが、座面は多少なりとも角度を付け、後足は前後方向の安定性を向上
させるために下部を少し後傾させますので、座枠には角度が付き貫後部は
ホゾに角度が付いてくることになり、構造的に側面にも三角の要素が入って
きますので多少なりとも強度UPにつながります。

これは上の図のように四本の脚に 直接座枠なり貫を挿す場合ですが、この
辺りは工夫のしどころになります。ただこれはフレームだけで考えています
が、実際には座面が板ですと座板を取り付けることで、かなりのフレーム補
強になりますので、背側の幅を絞ることが劇的に機械的強度のUPにつなが
るわけではないことは言うまでもないでしょう。
座の仕様が板ではなくロープやテープを編むことになりますと、フレームだ
けで強度を持たせることになり、 尚且つ編み込みに対してのホゾ強度も考
えなければなりません。


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