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構造について 36 2004.10.4記

座面と背の位置関係を少し見ていきますが、これは結構見落としがちなこ
とではないかと思います。ただこれも今まで書いてきたことから分かると思
いますが、イスの場合はSHにしろ背座の角度にしろアームにしろ、色々な
要素が関連し合っていますので、単独で単純に考えることが出来ないのは
言うまでも無いでしょう。

そんなことで背の仕様に関したことをつらつらと思いつくままに書いてみます
と、背の仕様も色々有りますが、単純には図のように背もたれの低いものと
高いものに分けられますが、高いものは必要以上というと御幣があるかもし
れませんが、かなり高めにしたものはハイバックとかトールバックいったりし
ます。ある程度デザイン的な要素の大きい物になってくると思いますが、当
然使用部材量やイス自体が重くなります。また低すぎるものはスツールに近
くなって腰を引いた時の位置決めにはなりますが、背もたれとしては役不足
なります。見た目の雰囲気も非常に大事ですし、こうでなければならないと言
う事はことは何もありませんが、あくまで実用的な椅子を考えるのであれば、
当たり前すぎますがある程度の範囲に絞られてしまうでしょう。

これは良く言われていることですが、人の姿勢を考えますと背骨はS字に曲
がっていますので、一番えぐれているお臍の後辺りの支え、即ちランバーサ
ポートと言われていると思いますが、この辺りをしっかり支えてやることが姿
勢も良くなりますし、背の収まりや支えられている安定感を感じられるように
思います。但し人それぞれ姿勢の好みや癖が有りますので、猫背気味の方
などはこれを嫌う傾向があるように感じます。
また背の上端は肩甲骨から肩辺りになりますので、体格の個人差はあるに
せよ実用性を重視したイスでは、極大雑把に見て200〜550ミリ程度の範
囲になるでしょうか。これにどんなところで使うイスかでSHや背座の角度が
変わってきますが、SHが低くなるほどまた安楽性の高いイスになるほど背を
後ろ側に倒したくなりますが、背もたれの高さと共に快適な背当たりを考えれ
ば、単位面積当たりの押し厚をなるべく減らしておきたくなりますので、当然
背を受ける形状、面積も関係してきます。
背当たりだけを考えれば、背に当たる部分が全面均等に接触して厚を受け
止めてくれればソフトに感じますが、これは座面でも同じことでフィット感が良
くなります。こうしたことからイスと体の接触部分を人体に合わせた三次元曲
面になるべく近づけるように、イス作りでは苦労することになります。


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