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構造について 33 2004.9.28記

SHや背座の角度やアームについての大雑把なことは先に書いてきまし
たが、実際に框構造で椅子を作ることを考えますと、一番簡単に考えれ
ば上の左図のように全てを直角で作ることになり、昔の小学校の椅子の
ような形になります。先に書きましたようにスツール的なイスの使い方、仕
様で考えていけば、背板の仕様はあまり拘る必要はないことになりますが、
やはり背をあずけた時には背当たりが窮屈なものに感じますので、背座
の角度は直角以上にある程度の角度が欲しくなります。必然的に極一般
的には上の右図のように後脚をくの字に傾斜させた仕様になりますので、
こうしたところの加工は椅子では結構面倒なところの一つになります。

当然右図のように背を倒すことによって、重心が後へ移動しますから後方
への安定感が悪くなりますので、背を倒す程度に相応した安定感を得るに
は、点線のように後脚を後方に張り出させる必要がでてきます。勿論
安定させるために後方への張り出しを大きくしますと、場取りますし躓いた
りの使い勝手が悪くなり、作る面から言っても歩留まりが悪くなりますし、後
脚自体の部材強度も落ちてきますので、必要最小限にしておいたほうが良
いでしょう。要するに何事もちょうど良い加減があるということです。
また点線のように後脚を後方に張り出させると、図からも分かると思いま
すが、前後を結ぶ貫の後脚との接合に角度が付いてきますので少し面倒
になりますが、イス全体の構造も含めた工夫も必要になります。

後脚をくの字に曲げることによる歩留まりを考えてみますと、同じ寸法の部
材から後脚を切り出すことを考えますと、二段目の図から分かると思います
が、左図のように切り出す方法が加工としては一番楽になります。一方右図
のように切り出せばくの字の角度を最大に取ることができますが、角度の付
いた切断面が多くなりますし、後脚の座面より下部分は垂直で使うことを前
提とすれば、接地部分は点線のように切り落としが必要になりますので、
加工自体は少し面倒になります。またホゾ穴の罫書きや加工自体の手順
も少し面倒になります。
ただ左図のような場合では矢印の切り落とし部分が大きくなりますので、
前脚を取ったり他の部材を取れる可能性が高くなりますので、一概に歩留
まりが悪いとは言えませんが、同じ角度のくの字の後脚を切り出すことだけ
考えれば、右図のほうが歩留まりは良いことになります。


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