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イス雑感 17 2003.2.14記

椅子で一番機械的強度を考えなければいけないところは、後ろ足と両側
面の座枠(貫)を接合するところになると思います。図は椅子を側面から
見たところを簡単に表していますが、丸部分になります。椅子を長い間
使っていますと、この部分がヘタって来た経験を持つ方もおられるのでは
ないかと思います。

椅子左右方向へは加重に変化が少ないですし、どちらかと言えば幅(上
下方向)の広いことが多い背板なども有りますので左右を結ぶ部材の数も
多くなる傾向にありますので、トラブルが出る事は少ないと思いますが、前
後方向へは非常に頻繁に加重の変化がありますし、スペース的に線の
貫を増やしにくいところで、無理に本数を増やしたり幅広の貫にしますと見
栄え的にも収まりが悪くな ります。
また背当たり部分は上部になりますので、てこの原理で丸部分にますま
す加重が大きくかかる事になり、この部分がヘタり易くなってしまいます。
矢印方向への加重も大きくかかるところですから、差し込むホゾ部分を
なるべく太くしておきたいところですが、今度はホゾ穴が大きくなりますと後
脚の強度が落ちることになりますので、後脚を太くしたいところですが全体
の寸法バランスや見栄えのことも有りますから、その辺りのバランスは結
構悩むところです。

 

とにかくこの部分は一番過酷な状況に置 かれますので、接合強度、機械的
強度共に良く考える必要が有ります。普通に作れば直にどうかなることは
ないと思いますが、長い耐用年数を考えるのであれば相当検討しておく必
要があるところでしょう。

点線のようにアーム付きになりますと、貫が一本増えたことになり位置と
しても随分強度を稼ぐことが出来ますが、丸部分のアームの接合は
部分ほどではないにしても強固に組んでおく必要があります。この場合には
フレーム仕様によっては線の貫を省略することも出来ます。
下の写真は背座共に面ロープで編んだ椅子ですが、そうした貫を省略した
仕様の椅子です。
座の仕様により当然座枠の仕様が変わってきますが、上の写真の椅子の
ようなペーパーコードの編み方の椅子ですと、編み方の性質上座枠の上下
方向の寸法をなるべく小さくしなければいけませんので、貫の省略は難しく
なります。


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